特殊清掃のやり方は?流れや作業を行う際の注意点について解説
特殊清掃は、孤独死や事件・事故現場などで発生する特殊な状況に対応する清掃作業です。一般的な清掃とは異なり、衛生的な問題や悪臭、遺品整理まで対応することが求められます。そこでこの記事では、特殊清掃のやり方について解説します。流れや作業を行う際の注意点も合わせて解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読むための時間:3分
特殊清掃のやり方
特殊清掃は、以下の流れで行われます。
- 汚染物を搬出する
- 専用薬剤を使用して消臭する
- 汚染している場所を清掃する
- 遺品整理や不要品を搬出する
- 害虫の駆除を行う
- 脱臭・消臭を行う
- 清掃する
1.汚染物を搬出する
最初に行うのは、汚染物の搬出です。現場には、血液・体液・腐敗物などが含まれていることがあるため、それぞれ適切に処理しなければいけません。臭いが漏れないように処置を行い、外へ搬出します。
2.専用薬剤を使用して消臭する
汚染物の搬出後は、現場に残る臭いに対処します。腐敗臭や体液などが原因で悪臭が充満している場合が多いため、専用の消臭薬剤を散布し、臭いを徹底的に取り除きます。薬剤は臭気を中和させるだけでなく、除菌・消毒の効果もあるため、二次感染を防止するためにも重要です。最初にある程度消臭することで、清掃や搬出作業がスムーズに行えるようになります。
3.汚染している場所を清掃する
次に、汚染が発生している場所そのものの清掃を行います。床・壁・天井にまで汚染が広がっている場合があるため、徹底的なクリーニングが必要です。清掃には特殊な洗剤や消毒液を使用し、感染症のリスクや悪臭を完全に取り除きます。状況によっては、壁紙や床材を剥がす必要がある場合もあります。
4.遺品整理や不要品を搬出する
現場に残された遺品や不要品も、特殊清掃の一環として整理・搬出します。貴重品や思い出の品など、故人に関わる物品を丁寧に仕分けし、必要に応じて家族に返却します。
5.害虫の駆除を行う
孤独死や腐敗による現場では、害虫が発生していることが多いです。特にハエやゴキブリなどは、汚染物に引き寄せられるため、害虫駆除が不可欠です。殺虫剤や駆除機器を使用して害虫を一掃し、再び発生しないようにします。この段階ではすでに汚染場所が清掃され、遺品や不要品も搬出されているため、害虫が隠れる場所がありません。薬剤も広まりやすいため、高い効果が期待できます。
6.脱臭・消臭を行う
清掃作業が終了した後も、悪臭が残っている場合があります。そのため、物が全てなくなった状態で改めて脱臭・消臭作業を行うことが大切です。オゾン脱臭機や活性炭フィルターを使うことで、室内に残る臭いを徹底的に除去します。
7.清掃する
最後に、全体的な清掃作業を行います。壁や床、窓などの汚れを一掃し、除菌・消毒作業も完了させます。
特殊清掃を行う際の注意点
特殊清掃を行う際の注意点は、以下の3つです。
- 近所に挨拶と説明を行う
- 共用箇所に養生をする
- 最初は窓を開けずに作業する
近所に挨拶と説明を行う
特殊清掃は作業時間が長く、周囲の住民に不安や迷惑をかける恐れがあります。そのため、作業開始前には近所の方々に挨拶し、簡単に状況や作業内容を説明して理解を得ることが重要です。事前に説明することで、トラブルの予防にもつながります。
共用箇所に養生をする
マンションやアパートなどの共用部分を通って作業を行う場合は、エレベーターや廊下に養生をする必要があります。養生は、汚れや傷を防ぐために重要です。特に、特殊清掃では汚染されたものを運び出す場合もあるため、しっかりと壁や床などを覆います。
最初は窓を開けずに作業する
作業開始直後に窓を開けると、室内の臭いや有害物質が外に流れ出る恐れがあります。そのため特殊清掃では、最初に空気清浄機やオゾン発生器を使って室内の空気を浄化し、内部の環境を改善するのが一般的です。その後、必要に応じて換気が行われます。
特殊清掃には適切な流れがある
適切な流れで特殊清掃を行うことで、臭いの元を断ち、スムーズに清掃作業を進められます。それぞれの注意点も把握して、周囲への影響も最小限に抑えましょう。
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