生前整理を行うメリット・デメリットは?やるべきことや注意点を解説
近年では、自分らしい暮らしを見つめ直す動きが広がり、生前整理が注目されています。物に囲まれた生活を見直し、心身ともにスッキリとした暮らしを目指す人が増えてきました。本記事では、生前整理を行うメリット・デメリットを解説します。
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生前整理とは?
生前整理とは、持ち物や財産などを自分自身で整理・管理することです。遺品整理とは異なり、本人が主体となって判断できるのが特徴です。不要なものを減らして必要なものを見極めるため、暮らしの見直しにもつながります。また、相続や介護といった将来への備えにもなり、気持ちを整理する機会としても注目されています。
生前整理を行うメリット
生前整理を行うメリットは、以下の通りです。
- 生活を快適にできる
- 家族や相続人の負担を減らせる
- 気持ちの区切りがつく
それぞれの内容を解説します。
生活を快適にできる
持ち物が多いと、日々の掃除や管理が煩雑になりがちです。生前整理を進めることで、不要なものを減らして暮らしやすい空間に整えられます。動線がスッキリするため、ケガや事故の予防につながる点も大きなメリットです。
家族や相続人の負担を減らせる
生前整理を進めておくと、遺品整理の際に家族の負担が大幅に軽減されます。財産の把握がしやすくなるため、相続トラブルの防止にもつながるでしょう。何を残すかを自分で選べば、気持ちを伝える準備にもなります。
気持ちの区切りがつく
長年使ってきた品や思い出の詰まった物を見直す作業は、過去と向き合い、心の整理をするきっかけになります。今後の暮らしを前向きに捉えるための節目にもなるでしょう。
生前整理を行うデメリット
生前整理を行うデメリットは、以下の通りです。
- 物を捨てる判断が難しい
- 家族との意見が衝突する
- 時間がかかる
詳しく見ていきましょう。
物を捨てる判断が難しい
思い出の品や高価だった物などは、捨てる決断がつかず作業が進みにくくなります。「いつか使うかも」と感じる物が多いと、整理に時間がかかるものです。選択に時間が必要になる方や、心理的な負担を感じる方も少なくありません。
家族との意見が衝突する
「これは残しておいてほしい」「勝手に処分しないで」など、家族との意見が一致しない場面もあります。特に実家の片付けなどを一緒に行う際には、思いの違いが生じるケースが多いです。整理のタイミングや範囲について、事前にすり合わせておくことが大切です。
時間がかかる
業者に依頼せず自分たちで生前整理を行う場合、かなりの時間と労力を要します。大型家具の運搬や分別、処分方法の調査など、すべてを自力で行う必要があるため、作業が長引くことも多いです。さらに、自治体のルールに従って粗大ごみの手配をする手間もかかります。結果として、精神的・身体的な負担が大きくなり、途中で挫折してしまうケースも少なくありません。
生前整理でやるべきこと
生前整理でやるべきことは、以下の通りです。
- 不用品や家具の処分
- 資産の把握と記録
- デジタルデータの管理
それぞれの内容を解説します。
不用品や家具の処分
使っていない家電や家具、着なくなった服などを見直します。自治体のルールに従って処分したり、リサイクルや買取サービスを活用したりするのも一案です。部屋ごとに進めると、作業の負担を軽減できます。
資産の把握と記録
預貯金や保険、不動産などの資産は、リスト化しておくと安心です。あわせて、借入金やローンなども書き出せば、家族への引き継ぎがスムーズになります。通帳や重要書類の保管場所も、一目で分かるよう整理しておきましょう。
デジタルデータの管理
スマートフォンやパソコン、クラウドに保存しているデータも見直すべき部分です。SNSアカウントやネット銀行など、ログイン情報や解約方法についてまとめておくと家族が安心できます。USBや紙に書き出すなど、複数の方法で保管しましょう。
生前整理を行うときの注意点
生前整理を行う際には、以下の点に注意しましょう。
- 焦らず少しずつ取り組む
- 信頼できる業者を選ぶ
- 家族と慎重に話し合う
詳しく解説します。
焦らず少しずつ取り組む
1度に全て片付けようとすると、心身ともに疲れるおそれがあります。1日1カ所、1アイテムからでも始めてみるのが無理のない進め方です。短時間の作業を積み重ねていく意識を持ちましょう。
信頼できる業者を選ぶ
生前整理やハウスクリーニングに関する専門業者の手を借りる場面もあるかもしれません。その際は、料金の内訳が明確か、口コミや実績がしっかりしているかをチェックして選びましょう。
家族と慎重に話し合う
整理の内容や残すものについて、家族と共有しておくと後々のトラブルを防げます。突然始めるのではなく、話し合った上で進めることが大切です。
自分と家族の安心のために生前整理を検討しよう
生前整理は、万が一への備えだけではなく自分の生活を見直す役割も担っています。メリットだけでなく、負担になる面も理解した上で、無理なく取り組む姿勢が必要です。少しずつ始めていけば、暮らしが整い、心にもゆとりが生まれるでしょう。
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