孤独死した部屋に特殊清掃をしないとどうなる?リスクや注意点を解説
孤独死が発生した部屋では、見た目では分からない深刻な問題が潜んでいます。特殊清掃を行わずに放置すると、建物全体に被害が広がるおそれもあるため、早急な対応が必要です。本記事では、特殊清掃をしない場合に起こり得るリスクを解説します。
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孤独死が起きた部屋に必要な対応
孤独死が確認された場合、速やかに警察や医療関係者による現場検証が行われ、その後、専門業者による特殊清掃が行われます。通常の清掃では対応できない汚れや臭気が残るケースが多く、感染症の危険性も伴うため、専門知識を持った業者に依頼するのが一般的です。
特殊清掃をしないことで生じるリスク
特殊清掃をしないことで生じるリスクは、以下の通りです。
- 強い腐敗臭が広がる
- 害虫や細菌が発生する
- 原状回復費用が高額になる
- 建物全体の資産価値が下がる
それぞれの内容を見ていきましょう。
強い腐敗臭が広がる
遺体の腐敗が進むと、強烈な臭いが部屋中に充満します。臭気は壁紙や床材だけでなく、建物の構造部分にまで染み込むため、簡単には取り除けません。長期間放置すると、隣室や共用部分にまで臭いが拡散し、周囲の住人から苦情が出るケースもあります。
害虫や細菌が発生する
遺体から発せられる体液や腐敗物質は、害虫の発生源となります。ウジやゴキブリ、ハエなどが大量に繁殖して感染症のリスクを高めます。また、室内に残った血液や体液には、細菌やウイルスが潜んでいる可能性があるため、無防備な状態で立ち入るのは非常に危険です。
原状回復費用が高額になる
特殊清掃を怠ると、建材の交換や防臭処理など大規模な工事が必要になることがあります。壁や床を一部解体せざるを得ないケースもあり、費用が1,000,000円以上に達するケースも珍しくありません。早期に清掃を行えば、被害を最小限に抑えられます。
建物全体の資産価値が下がる
孤独死が起きた物件を放置すると「事故物件」としての印象が定着し、建物全体の価値が下がってしまいます。空室率が上がる、入居者からの退去申し出が増えるといった問題にもつながり、不動産経営にとって大きな損失です。
特殊清掃を行うべき理由
特殊清掃を行うべき理由は、以下の通りです。
- 徹底的に除菌・脱臭できる
- 感染症対策を安全に実施できる
- 精神的な負担を軽減できる
それぞれの内容を解説します。
徹底的に除菌・脱臭できる
専門業者による特殊清掃では、目に見える汚れの除去だけでなく、専用の薬剤や機材を使った徹底的な除菌・脱臭が可能です。一般家庭用の清掃道具では除去できない微細な臭気成分や菌類にも対応できるため、安心して再利用できる状態にまで回復させられます。
感染症対策を安全に実施できる
孤独死現場では、感染症への対策が非常に重要です。特殊清掃業者は適切な防護具を用い安全な方法で処理を行うため、リスクを最小限に抑えられます。
精神的な負担を軽減できる
遺族が現場を目にすると、精神的なダメージが大きくなります。特殊清掃業者に任せれば、直接的な関与を避けられて心の負担を減らせるでしょう。対応に慣れたスタッフが、配慮ある対応をしてくれる点も安心です。
清掃を依頼する前に注意しておくべき点
清掃を依頼する前には、以下の点に注意しましょう。
- 契約内容と費用を明確にする
- 遺品整理の対応範囲を確認する
それぞれの内容を解説します。
契約内容と費用を明確にする
清掃を依頼する際は、作業範囲や使用する薬剤、廃棄物処理の有無など、契約内容を事前にしっかり確認しておく必要があります。後から追加費用が発生しないよう、見積書や契約書は必ず取り交わして料金体系を明確にしておきましょう。
遺品整理の対応範囲を確認する
特殊清掃とあわせて遺品整理を依頼するケースも多いため、どこまで対応してくれるかを事前に確認しておくと安心です。家具や家電の処分、形見分け、供養などのオプションがある業者であれば、手間を減らしながらスムーズに進められます。
孤独死後の放置は深刻な二次被害につながる
孤独死の現場を適切に処理せずに放置すると、臭気や害虫被害が広がるだけでなく、建物の価値や周囲の環境にも悪影響を及ぼします。早い段階で信頼できる業者に特殊清掃を依頼し、二次被害を回避しましょう。